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コーチング

現代社会において、私たちが直面する課題は「病気か健康か」という言葉だけでは語り尽くせません。「今の自分をもっと高めたい」「目標はあるが、どう動けばいいか迷っている」といった前向きな葛藤に対し、当クリニックでは医学的な知見を応用した「メディカル・コーチング」を提供しています。

1. 経験豊富な医師による一貫したサポート

当院で行うのは、心療内科でのカウンセリングや企業の産業医・顧問医としての経験が豊富な精神科専門医による、精神医学と行動科学のバックグラウンドを活かしたコーチングです。
人の心には、前へ進もうとする意欲と、不安や思い込みによるブレーキが共存しています。そこで当院では、医学的・心理学的な視点から「なぜ今、足が止まっているのか」を分析します。
無理な叱咤激励ではなく、医師としての視点を持ちながら、お一人おひとりのコンディションや健康状態に合わせた、納得感のある自己変革や目標達成をサポートします。

2. カウンセリングとコーチングの使い分け

当院では、ご相談者の今の状態に合わせて、最適なアプローチを選択しています。

■カウンセリング:心の土台を回復させる

過去の経験や心の傷によって、日常生活を送るためのエネルギーが不足しているときに、その原因を一緒に見つめ、心を癒やすことで、まずは安心して歩き出せる状態へと整えていくプロセスです。

■コーチング:自分らしい未来を描き、歩む

心身の基盤が比較的整っている、健康的な方に特におすすめしているプロセスです。「どこへ向かいたいのか」「自分らしく進むにはどのルートが合うのか」を対話によって明確にし、可能性を広げていきます。

 

セッションの過程で、心の回復を優先する時間と、前向きな変化を促す時間を、その時のクライアントに最適なバランスで柔軟に組み合わせて進めていきます。

3. 多様なニーズに応えるコーチングの活用例

■経営者・エグゼクティブへのコーチング

組織を牽引するリーダーの多くは、優れた経営能力と合理的な判断力を備えておられます。そのため、当院のコーチングは心理学の手法で経営そのものを変えようとするものではありません。私たちはまず、リーダーが掲げる経営ビジョンを深く理解することを何よりも大切にしています。

一方で、いかに有能な経営者であっても、強大な重圧の下で感情が揺れ、冷静な判断が難しくなる瞬間があるのは人間として極めて自然なことです。また、その立場ゆえに社内や家庭では弱音をこぼせず、孤独な葛藤を抱えている方も少なくありません。

そこで当院では、まずそうした「どこにも出せない思い」を丁寧にお聴きし、心を整える「安全な場」としての役割を担います。ご自身の価値観を改めて見つめ直し、納得感のある目標を再設定することは、リーダーの自己肯定感を守るだけでなく、本来の力を最大限に引き出すことにつながります。リーダーの心の安定は、結果として組織全体の成果や文化の向上にも大きく波及していくものです。

さらに、組織運営には「孤独な決断」だけでなく、採用や育成、適材適所の配置といった「人を動かす」という極めて困難な実務も伴います。当院では、こうした具体的なマネジメントの課題についても重要なテーマとして扱います。産業・組織心理学の知見と産業医としての実務経験に基づき、多角的な視点から皆様の経営を後押しいたします。

「心」と「実務」の両面から、経営の第一線で戦い続ける皆様を支えるパートナーとして、このコーチングを最大限に活用していただければ幸いです。

■個人へのコーチング〜自己実現とライフイベントへの適応

当院では、対象を問わずすべての方に対して、経営者やエグゼクティブの方々と同じく「ご本人が持つ資質への深い信頼」をベースにコーチングを行っています。お一人おひとりが本来備えている能力や意欲を尊重し、無理に型に当てはめるのではなく、サポーティブ(支援的)な姿勢でセッションを進めてまいります。
クライアントのこれまでの歩みや問題解決の力、そして大切にされている価値観を何よりも尊重し、ご自身のビジョンに沿った穏やかな伴走を徹底いたします。

こうしたアプローチは、学童期以上のお子様にとっても非常に有効です。日常の勉学や受験勉強、あるいはスポーツや音楽といった部活動など、お子様自身が「これを成し遂げたい」と願う目標に対し、自律的な成長を促すお手伝いをいたします。
大人の価値観を押し付けるのではなく、お子様が自分なりの壁をどう乗り越え、達成感を得ていくか。そのプロセスを医師としての視点から温かく見守り、自己肯定感を育む場でありたいと考えています。

また、専門職として日々研鑽を積まれている皆様へのサポートも大切にしています。具体的な売上や数字上の目標も重要ですが、それ以上に「より専門性を深めたい」「自らの仕事を通じて社会に貢献したい」という、プロフェッショナルとしての純粋な願いや、仕事に対する真摯な想いを支援いたします。
日々の多忙な業務の中で、ともすれば見失いがちな「自らの原点」を再確認し、専門家としての誇りを持って歩み続けるための対話の場を提供いたします。

さらに、こうしたアプローチは、個人の自己実現やライフイベントへの適応においても大きな力となります。就職、結婚、出産、身近な人との別離、あるいは病気からの回復といった人生の転換期には、誰しも「今の自分を変えたい」という強い願いを抱くものです。
当院は個人経営の医療機関であるため、担当医が変わることはありません。クライアントが望まれる限り、お子様から大人、そして専門家としての歩みに至るまで、さまざまなライフステージにおいて同一の医師が長期的な視点で寄り添い、一貫性のある継続的なコーチングを提供することが可能です。

■高齢期におけるコーチング〜これからの日々をより豊かに

健康寿命が延びた現代において、退職後などの「後半生」をいかに過ごすかは、人生の充足感を左右する大切なテーマです。当院では、皆様の中に静かに、しかし確かに存在する「活動的でありたい」という願いを尊重し、これまでの歩みをどう未来へ繋げていくか、そして残された時間をどう充実させていくかを共に探求してまいります。
世間では時として、「高齢期にはもう大きな目標は必要ないのではないか」「のんびりと過ごすことこそが幸せである」といった見方がなされることもあります。しかし、当院ではそのようには考えません。むしろ、人生の時間の尊さを深く知る世代だからこそ、その一分一秒をどのような思いで過ごし、何を成し遂げたいかという「願い」は、若い頃にも増して純粋で、深い意味を持つものだと考えております。
お一人おひとりの心の内面には、誰にも打ち明けていない、その方ならではの情熱的な望みが眠っているものです。それにもかかわらず、周囲の皆様からの「無理をしないで、ゆっくりしたら」という温かくも安易な助言が、時としてご本人の意欲を削ぎ、少し寂しい思いをさせてしまうこともあるかもしれません。

当院のコーチングは、皆様がこれまで歩んでこられた道のりに敬意をもって対応し、お一人おひとりの意向を最大限に尊重いたします。社会の中でその意欲が置き去りにされがちな時期において、数少ない目標達成の伴走者として、皆様のモチベーションをそっと支えるお力添えをしたいと考えております。
また、医師としての立場から、日々の体調の変化や疲労の蓄積、健康管理全般についても適宜、助言をいたします。物忘れへのご不安や認知機能の変化についても、医学的な視点から丁寧に見守り、健やかなお身体と心を維持しながら、人生の最期まで目標を持って自分らしく生き抜きたいと願う皆様の歩みをサポートさせていただきます。

4. 心理学・精神医学に基づくアプローチ

当院のコーチングでは、医師としての視点も大切にしながら、医学、産業保健、心理学といった複数のフレームワークを補助線としてセッションを進めてまいります。画一的な正解を提示するのではなく、以下の多角的な視点から、現在の状況を丁寧に紐解いていくことを心がけています。

1. 精神医学的な視点(コンディションの丁寧な確認)

パフォーマンスの土台となる心身のコンディションをお伺いします。睡眠、気分、意欲、集中力の変化などを通じて、現在の状態を多角的に把握するよう努めます。また、すでに治療や服薬を継続されている方については、お体の負担や副作用の影響なども考慮しながら、無理のない範囲で対話を進めてまいります。

2. 身体的な視点(心身のサインへの配慮)

「心の疲れ」は、頭痛、めまい、動悸、腹痛といった体の変化として現れることがあります。こうしたサインを丁寧にお聞きし、必要に応じて血液検査などの検討や、他科の専門医療機関への橋渡し(紹介状の作成)を行うなど、お体の健康を第一に考えた対応を提案いたします。

3. 産業保健的な視点(働く環境の整理)

クライアントの方々が置かれている労務状況を、客観的に整理するお手伝いをします。残業時間や業務負荷、職場での人間関係など、現在の状況を一つひとつ丁寧に伺い、どのような要因がご自身の負担となっているのかを整理してまいります。

また、これに準ずる形として、未就労のお子様や学生の方につきましても、学校生活や家庭環境を客観的に見つめ直すアセスメントを適宜行っております。ご本人の目標達成を妨げている環境的な要因や、周囲の関わりの中で何か改善できる点がないかといった視点から丁寧に検討し、本来の力を発揮しやすくなるよう共に道筋を探ってまいります。

4. 特性・資質の分析(自己理解の手がかりとして)

「自分自身の特性」を客観的に捉え直すため、必要に応じて知能検査や性格テスト、特性のスクリーニングツールを活用することがあります。これらはあくまで、ご自身の強みを活かすための「一つの手がかり」です。検査結果というデータと、ご自身のこれまでの実感を照らし合わせながら、今の状況を少しずつ紐解くヒントを探ります。

5. 認知行動療法(CBT)による「思考の癖」の整理

目標達成を妨げているかもしれない「思考の癖」を、対話を通じて一緒に見つめ直していきます。認知行動療法の役割は、無理に考え方を変えることではありません。ご自身の感じ方や捉え方のパターンを知ることで、不安やプレッシャーに振り回されすぎず、よりおおらかに、自分らしく日々を過ごせるようになることを目指します。

5. 当院のコーチングのスタイル(進め方)

一般的なコーチングの手順では、まず明確な「目標」を決め、そこに至るまでの具体的な「行動計画」を立て、進捗を管理していくというスタイルが主流です。しかし当院のコーチングは、嫌なことを無理に努力して、我慢しながら頑張ることを強いるものではありません。
大切にしているのは、対話を通じて気持ちを整理し、人生の目標や目の前の課題、そして意欲の保ち方を整えていくことです。不本意な努力に身を投じるのではなく、自分の価値観と行動を一致させていくこと。それによって、人生がより豊かで、バランスの取れたものだと感じていただけるよう、健康と達成感の両方の視点から支えてまいります。
そのために、以下の4つの指針を大切にしています。

1. 心身のコンディション確認

何よりもまず、土台となる心身の状態を丁寧にお伺いします。睡眠や体調、心の疲れ具合などを医師の視点から確認し、今の状態で無理なくコーチングを進められるかを検討します。必要に応じて医学的なアセスメントを行い、安心して対話に臨めるコンディションを整えることから始めます。

2. 価値観の確認と目標設定

社会の正解や誰かの期待に自分を合わせるのではなく、ご自身の内側にある「本当に大切にしたいこと」を丁寧に掘り起こします。自分の本心に沿った目標を立てることは、無理のない自然な歩みを続けていくために、欠かせないプロセスだと考えています。

3. 今の自分を肯定的に捉える

「まだ足りない」と自分を急かすのではなく、これまでの歩みで積み上げてきたことを、まずは客観的に認めることから始めます。今の自分を正しく認識し、足元を固めることで、次に進むための安定した土台が作られます。

4. 意欲を整える

院から一方的に課題を出したり、行動を強制したりすることはありません。セッションでの対話を通じて、心や環境のひっかかりを一つずつ解きほぐしていきます。専門的な知識を背景に、無理に力を振り絞るのではなく、自然と意欲が湧いてくるような環境作りを共に考えます。

5. おおまかに進捗を振り返り、次の方向性を話し合う

セラピストはクライアントに対して、決まったペースや予定通りの成果を押し付けるのではなく、その時々の状況に合わせた距離感を保ちながら進捗を振り返ります。人生の変化をふまえながら、「おおまかな方向性」を見失わないよう、お一人おひとりのリズムに合わせて、一貫した支援を続けてまいります。
クライアントの疲労や体調不良が懸念される状況では、休息や気分転換を促し、目標や計画から一時的に離れることをご提案いたします。